甘酒

飲む点滴といわれる「甘酒」嬉しい栄養成分と美味しいアレンジ術

2018/12/06

年末年始には、神社やお寺でふるまわれることも多い“甘酒”。じつは、「飲む点滴」「飲む美容液」と称されるほど栄養価が高く、美肌効果も期待できる飲み物だということをご存知でしょうか。

今回は甘酒の優れたポイントや、飲むときのアレンジ方法、知っておきたい注意点をご紹介します。

米麹と酒粕はどう違う?

甘酒

米麹甘酒

甘酒は米麹を原料とする米麹甘酒、酒粕を原料とする酒粕甘酒の2種類にわけられます。

米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。麹菌の発酵の働きにより、お米のデンプンがブドウ糖やオリゴ糖に変わり、自然な甘みが生まれます。

米麹甘酒にはアルコール分が含まれていないので、お酒が苦手な方や妊娠している方も安心して飲むことができます。

酒粕甘酒

酒粕は、日本酒の製造工程でできたもの。酒粕から甘酒を作る際には砂糖が加えられるため、カロリーは米麹甘酒よりも高めです。しかし、麹菌と酵母菌の2つの発酵の力が働くため、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養がたっぷり含まれています。

わずかではありますが、酒粕甘酒には、アルコールが含まれているものがあるため、購入する際にはパッケージの表記を確認してから選びましょう。一言で「甘酒」といっても、種類によって特徴が異なるもの(※1)。含まれる栄養分や1日の摂取カロリー、飲みやすさによって、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

甘酒が美容をサポートしてくれるってホント!?

甘酒といえば、美容に良いと話題に上ることもしばしば。なぜ、そのようにいわれているのでしょうか? 甘酒に含まれる美容に効果的とされる栄養成分をご紹介します。

美肌に対する効果

甘酒による美肌効果

米麹甘酒に含まれるビタミンB2やB6、ナイアシン、葉酸などのビタミンB群には、糖質・脂質・たんぱく質をはじめとする栄養素の代謝や細胞の再生をサポートする働きがあります。これらが不足してしまうと肌荒れや口内炎・口角炎などの皮膚トラブルの発生をまねくことも……(※2)。

肌のターンオーバーを促し、すこやかな肌を作るためにも、ビタミンB群の不足には気を付けたいところです。

さらに、甘酒に含まれる食物繊維とオリゴ糖には、腸内環境を整える働きがあります(※3)。腸内環境を整えることで、便秘による肌荒れを防ぐことにもつながります(※5,6)。そういった面からも、甘酒は肌の強い味方といえるでしょう。

ダイエットに対する効果

甘酒のダイエット効果

米麹甘酒の自然な甘みの正体は、ブドウ糖(グルコース)とよばれる果物や穀類などに多く含まれる栄養素。

このブドウ糖には満腹中枢を刺激し、満腹感を与えてくれる働きがあることが明らかになっています(※7)。小腹が空いたときに、甘いお菓子やスナック菓子ではなく、ゆっくり時間をかけて甘酒を飲めば、比較的低カロリーで満腹感を得やすいため、ダイエットにもぴったり。

また、甘酒には、糖と脂質の吸収を抑えてくれる食物繊維も含まれています(※4,8)。ダイエット中の方には、米麹の粒入りの甘酒や玄米甘酒が、とくにおすすめです。

バリエーションはさまざま。美味しい甘酒アレンジ術

豆乳

栄養豊富な甘酒ですが、なかには「風味が苦手で飲みにくい」「毎日飲んでいると飽きがくる」という方もいるかもしれません。そんな方は、甘酒の選び方を工夫するだけでなく、飲みやすくアレンジしてみてはいかがでしょうか。

美味しいことはもちろん、食材の組み合わせによっては、さらなる美容効果が期待できるものも。ここでは混ぜるだけの簡単レシピをご紹介します。

【豆乳甘酒】
豆乳と甘酒を1:1の割合で混ぜる「豆乳甘酒」。コクのある風味の豆乳が甘酒の風味を控えめにしてくれるため、甘酒が苦手な方でも飲みやすくなるはずです。

豆乳には女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする「大豆イソフラボン」が含まれているため、さらなる美容効果が期待できるでしょう(※9)。甘酒のやさしい甘さを生かすためには、豆乳は砂糖を含まない無調整豆乳を選ぶのがおすすめです。

【生姜甘酒】
温めたコップ1杯分の甘酒に対し、1かけほどの生姜をすりおろして入れる「生姜甘酒」。ひと手間でぴりっと辛い風味がアクセントとなる、大人向けのドリンクに変身します。生の生姜のほかにも、生姜を乾燥させた乾姜(生姜パウダー)でも作ることができます。

生姜には体を温め発汗させる作用や咳を鎮める作用があり、乾姜には体内のより深い内臓部分を温める作用や強壮作用があるので、とくに冷え性の方におすすめです(※10)。

【りんご甘酒】
りんごのまろやかな甘さが甘酒独特の風味を和らげ、ぐっと飲みやすくなる「りんご甘酒」。甘酒とすりおろしたりんごを3:1の割合で混ぜるだけで完成! 生のりんごをすりおろして入れることで、さらに多くの食物繊維を一緒に摂ることができます。

食物繊維は腸内環境を整えてくれる働きがあるので、甘酒に含まれるオリゴ糖とWの効果で、美腸作りに嬉しいドリンクになります(※4,6)。

美味しくアレンジをしながら“甘酒”でキレイを目指そう

素肌の女性

ここ数年で大きな注目を浴びるようになった甘酒。ブームに伴い、さまざまなタイプの甘酒が発売され、手軽に毎日の食生活に取り入れられる環境になりました。

身体に良い成分があり、美容効果も期待できると知ると、つい何杯も飲みたくなってしまうかもしれません。しかしながら、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがあるように、飲み過ぎは禁物。糖質を過剰に摂取してしまうことになります。

一般的には1日に200kcal程度の間食が適量だといわれています(※11)。1日に飲む甘酒の量は、およそコップ1杯分の200mlほどにとどめておきましょう。

選び方や飲む量に注意しながら、あなたも甘酒でキレイを目指してみてはいかがでしょうか。

藤橋ひとみ

藤橋ひとみ

I's Food & Health LABO.代表。管理栄養士。重度のアトピーを食事で体の内側から改善した経験をきっかけに「すべての人が毎日の食事で心身のトラブルを予防・改善できる社会の実現」を目指し、セミナー講師、レシピ開発、商品開発コンサルティング、メディア出演、コラム執筆など精力的に活動中。食と健康の分野で科学的根拠に基づく確かな情報発信ができる専門家増やすべく、管理栄養士など有資格者のスキルアップ、起業サポートにも注力している。

【出典】
(※1)農林水産省「消費者の部屋」
http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1712/02.html
(※2)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)ビタミン(水溶性ビタミン)」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf
(※3)文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl
(※4)峰時俊貴「酒粕の機能特性とそれを活かした商品開発」日本醸造協会誌,第109巻第1号,2014
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/109/1/109_11/_pdf/-char/en
(※5)厚生労働省「e-ヘルスネット(腸内細菌と健康)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
(※6)日本臨床内科医会「わかりやすい病気のはなしシリーズ(便秘)」
http://www.japha.jp/doc/byoki/049.pdf
(※7)太田一樹「空腹・満腹のメカニズムー中枢性摂食調整機構についてー」鎌倉女子大学学術研究所報 第 12号 1-12頁 2012
https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880616
(※8)厚生労働省「e-ヘルスネット(食物繊維の必要性と健康)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
(※9)内閣府食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボン
に関するQ&A」
http://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html
(※10)独立行政法人農畜産業振興機構「野菜ブック(しょうが)」
https://www.alic.go.jp/content/000138397.pdf
(※11)厚生労働省「e-ヘルスネット(間食のエネルギー)」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html
(すべて2018/10/28参照)